避妊のお悩み

妊娠についてはご自分の意思で時期をコントロールしたいと考えている方は多いのではないでしょうか。方法についてはいくつかありますが、年齢、ライフステージや、既往歴、合併症などを考えながら一人一人に合った方法を考えます。

一般的な避妊方法のパール指数（目安）

高度な避妊法

避妊方法	パール指数 （1年間100人あたりの妊娠数）	特徴
子宮内避妊装置（IUD）	0.2-0.8	長期的な効果、月経量の減少
生殖ホルモン剤（低容量ピルなど）	0.3-3	月経周期の調整、PMS改善

中程度の避妊法

避妊方法	パール指数 （1年間100人あたりの妊娠数）	特徴
コンドーム	2-18	性感染症予防、手軽に入手可能
避妊用バリアフィルム	15-21	コンドームの代替品

低度の避妊法

避妊方法	パール指数 （1年間100人あたりの妊娠数）	特徴
経口避妊薬（ミニピル）	0.5-5	月経周期が安定しない
膣内避妊薬	2-21	性交直前に挿入
基礎体温法	2-3	自然な方法、周期の把握が必要
安全期法	19-21	生理周期の正確な把握が難しい

ご注意

• 上記はあくまで一般的な数値であり、個人の体質や使用方法によって変動します。
• パール指数が低いほど、避妊効果が高いことを示します。

表の見方

• 避妊方法：避妊方法の種類です。
• パール指数：1年間100人の女性がその避妊方法を使った場合に、妊娠する人数の平均的な数値です。
• 特徴：各避妊方法の特徴やメリット、デメリットなどを簡単にまとめました。

表からわかること

• 子宮内避妊装置や生殖ホルモン剤は、非常に高い避妊効果が期待できます。
• コンドームは、避妊だけでなく性感染症予防にも効果があります。
• 基礎体温法や安全期法は、他の方法に比べて妊娠率が高くなる可能性があります。

その他

• 避妊方法の選び方：パール指数だけでなく、自分のライフスタイルやパートナーとの相談、医師のアドバイスなどを総合的に考慮して選びましょう。
• 複数の方法を組み合わせる：より高い避妊効果を求める場合は、複数の方法を組み合わせることも可能です。

避妊相談

経口避妊薬（低用量ピル）

1日1回の内服で高い避妊効果が得られる薬です。近年では避妊以外を目的に使用する場合も多く、月経量や月経の日をずらすこともでき、月経の調整が必要な方、スポーツ選手も使用できます。内服開始後1〜2か月の吐き気、倦怠感、不正出血などのマイナートラブルはありますが、比較的軽度であることが多いです。ただし、内服中の血栓症のリスクなどの副作用、および内服前、内服中に必要な検査もあります。正しく内服していなかったことによる妊娠もあるため、診察、注意事項を説明したうえで処方します。また性感染症を防ぐことはできませんので感染予防も同時に行う必要があります。
なお、内服中止後は90%の方が3か月以内に排卵が再開され、妊娠可能になります。

子宮内避妊具（IUD）、子宮内避妊システム（IUS）

通常避妊リングと呼ばれるものです。避妊リングは2〜3年以上の長期的な避妊を考えている方、低用量ピルが内服できない方、内服薬は飲み忘れが心配な方におすすめです。外来で挿入できます。
抜去も外来で可能ですが、ごく稀に麻酔下での抜去が必要になるケースがあります。抜去後は妊娠可能です。

緊急避妊ピル

予期せぬ性交渉などによって妊娠の恐れがある場合、性交渉後72時間以内に内服すると一定の効果があります。ただし、100%効果が保証されるわけではありません。普段からの低用量ピルの内服をお薦めしますので、併せて相談してください。