婦人科日帰り小手術

バルトリン腺開窓術（CO₂レーザーによるバルトリン腺嚢胞の治療）

いわゆる「バルトリン腺嚢胞（のうほう）」と呼ばれる、膣の入口付近（外陰部の左右5時・7時方向）にできる袋状の腫れや、それが感染して膿が溜まったバルトリン腺膿瘍（のうよう）の反復症状にお悩みの方に適した治療法です。バルトリン腺は本来、性行為時などに膣を潤す分泌液を出す小さな腺ですが、この出口が詰まると粘液がたまって嚢胞化し、炎症が起こると激しい痛みを伴う膿瘍になります。再発性の嚢胞・膿瘍では、その都度針で膿を抜く処置（穿刺排膿）を繰り返しても根本的な解決にはなりません。開窓術（かいそうじゅつ）といって嚢胞に永久的な開口部を作り、内容液を排出させる手術を行うことで、再発のリスクを大幅に減らすことができます。当院ではこの開窓術をCO₂レーザーで行っており、従来よりも患者さまの負担が少ない治療を提供しています。
健康保険が適用される治療です。（概算で概ね15,000円程度です。必要な処置、治療、検査がある場合は別途かかりますが関連するものはすべて保険診療です。）

治療の流れ（概要）：約10分

感染が強く、痛みがある場合、苦痛をとることを優先に考えるとすぐの処置が良いですが、感染がない場合の手術に比べると再発のリスクが少し高いです。方針は相談しながら決めましょう。繰り返す嚢胞・膿瘍でお困りの方は、お早めにご相談ください。

外陰部や腟内のできもの、いぼなど

外陰部（陰唇や会陰部）や腟内にできた良性の腫瘤（できもの・いぼ）が対象です。具体的には、皮膚の下にできる嚢胞性のしこりや腟壁や外陰部のポリープ、いぼ、等が挙げられます。出産時の会陰切開縫合部のずれから粘膜面が外にでてポリープのようになっているケースもあります。
こうした外陰部の良性腫瘤は放置して自然に消えることは少なく、次第に大きくなる場合もあります。痛みや圧迫感など不快な症状を伴うなど気になる場合は、摘出手術による治療をおすすめします。当院では、こうした外陰部の良性腫瘤の摘出手術を日帰り外来手術で行っており、メスによる切開に加えて炭酸ガスレーザーによる切除も積極的に取り入れております。レーザーを活用することで出血を抑え、傷跡の美容面にも配慮した手術が可能となっています。摘出した腫瘍は原則として病理診断を行います。（提出できないほど微小なものは除く）デリケートゾーンのしこりやできものでお悩みの方は、お一人で悩まずにお気軽にご相談ください。

健康保険が適用される治療です。（いぼやできものの種類によって変動する場合がありますが、概算で8,000円程度です。ほかに必要な処置、治療、検査がある場合は別途かかりますが、関連するものはすべて保険診療です。）

治療の流れ（概要）：10～20分程度

※粉瘤の場合、炎症が強い場合の摘出手術は困難な場合が多いので、排膿、抗生剤内服後、症状の落ち着いたときの摘出を勧めます。

尖圭コンジローマ蒸散術（CO₂レーザーによる治療）

対象となる症状

尖圭（せんけい）コンジローマは、ヒトパピローマウイルス（HPV）6型・11型の感染によって引き起こされる、外陰部・膣・肛囲・会陰部などにできるイボ状の病変です。性行為を介して感染する性感染症（STI）の一つで、感染から数週間〜数ヶ月の潜伏期間を経て、乳頭状・鶏冠状の柔らかい腫瘤が複数出現するのが特徴です。放置すると病変が拡大・増殖することが多く、再発もしばしば見られるため、早期の治療が重要です。外用薬塗布による治療が第一選択です。外用薬の効果は高く、それのみで治癒する場合もあります。しかし、効果が高い反面皮膚トラブルが起きる場合や、粘膜面に発生したコンジローマには使用できない、などの制約があります。
当院では、尖圭コンジローマに対する治療として治療効果の高い炭酸ガスレーザー（CO₂レーザー）による蒸散術を行っています。

治療の流れ（概要）：　約10分

健康保険が適用される治療です。（概算で8,000円程度です。ほかに必要な処置、治療、検査がある場合は別途かかりますが、関連するものはすべて保険診療です。）

※保険診療の範囲で行う都合上、外陰部（腟の入口部を含む）、肛門周囲、腟内の各部位を同日に治療することはできません。原則として一部位を治療した場合、次に治療できるのは翌月になりますので予めご了承ください。ただし、塗布薬を併用することで治療期間を短縮することができますので相談しながら治療計画を立てましょう。

尖圭コンジローマは恥ずかしさや不安から受診が遅れがちな疾患ですが、放置しても自然には治らず、感染を広げる可能性もあるため、早期の受診・治療を推奨します。
当院では、女性医師がプライバシーに配慮して丁寧に対応いたします。少しでも気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。