女性のライフステージ
女性のライフステージ
女性は、生涯を通じて様々な体の変化や健康課題を経験します。月経周期、妊娠・出産、閉経など、女性ホルモンの変動によって、心身の健康に影響が出ることがあります。また、骨粗鬆症、子宮体がん、子宮頸がん、卵巣がん、乳がんなどの、女性特有の病気のリスクも高くなります。また、働き続ける女性が増加している現代は、新しい女性の健康課題も出てきています。ライフステージごとのホルモン変動を意識した特別な管理が必要です。
女性ホルモンとは、主に卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類のホルモンの総称です。これらのホルモンは、月経、妊娠、出産など、女性の生殖に関わる重要な役割を果たしています。また、骨や皮膚の健康維持、コレステロール値の調節、気分の安定など、女性全体の健康にも影響を与えます。
エストロゲンは、主に卵巣、その他に脂肪組織、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンです。卵胞ホルモンとも呼ばれ、女性生殖器の発達や機能維持、月経周期の調節、妊娠の準備など、女性の生殖に関わる重要な役割を果たしています。
主に卵巣の黄体から分泌される女性ホルモンです。月経周期、妊娠、出産に関わる重要な役割を果たします。また、乳房の発達、基礎体温の上昇、子宮内膜の安定など、女性の体全体の健康にも影響を与えます。
女性のライフステージは、一般的に以下の4つの時期に分けられます。それぞれの特徴と、心身における変化、そしてその時期に訪れる主な出来事をご説明していきます。
思春期は子どもから大人へと成長する移行期間で、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が増える時期です。エストロゲンの分泌量が増えることで二次性徴が始まり、初経を迎え、子宮や卵巣が成熟していきます(思春期が発来する詳しいメカニズムははっきりわかっていません)。また身長や体重が増加し、女性らしいからだが作られます。卵巣の機能が完成するまでは月経不順や月経痛などといった月経のトラブルがあらわれやすい時期でもあります。
成人期はエストロゲンの分泌が最も盛んで、月経が順調になり、心身ともに安定する時期といえます。子宮や卵巣の機能が整い、この時期に妊娠・出産というイベントを迎える方もいます。
一方で、エストロゲンの分泌が盛んである分、ちょっとしたエストロゲンの変化が体に影響し、不正性器出血や月経痛、過多月経など月経トラブルなどが起こることがあります。また子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症といった女性ホルモンに関係する病気が増えてくる時期です
更年期は「閉経」を挟んだ前後5年の10年間の時期を指します。エストロゲンの分泌が急激に低下し、不安定になることで、体に様々な不調(更年期症状)があらわれることがあります。症状には個人差がありますが、日常生活に支障が出る場合には「更年期障害」と呼びます。また、高血圧や脂質異常症、動脈硬化、骨粗鬆症などの予防にも心がける必要があります。
閉経を迎え、エストロゲン分泌が乏しくなる時期です。平均寿命が延び、女性の一生の中でエストロゲンの恩恵を受けられないこの老年期の期間が長くなりました。これまでエストロゲンによって維持されていた血管や骨、お肌のトラブルに注意が必要です。
更年期を過ぎ、「更年期障害」などの自覚症状は改善し体調が安定する一方で、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や、骨粗鬆症が増える時期になります。そういった病気の予防を心がける必要があります。
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