多嚢胞(のうほう)性卵巣症候群(PCOS)とは|流山つつじの街の女性クリニック|流山市南流山の婦人科

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多嚢胞(のうほう)性卵巣症候群(PCOS)とは

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2024年11月12日

卵巣に卵がたくさん、ハチの巣状に・・とか言われたことはないですか?

PCOSとは生殖年齢女性の5~8%に発症し、月経異常や不妊の主要な原因のひとつです。アンドロゲン過剰(アンドロゲンとは男性ホルモンの相称です)、黄体形成ホルモン高値(月経前に多く分泌される女性ホルモンの一種です)、卵巣の多嚢胞性変化(卵巣の中がはちの巣状に見えたり、数珠やネックレスのように卵胞が並んでいるようにみえたりします 卵胞:卵巣の中に存在する、卵子が入った袋)などのほか、肥満や男性化(多毛やにきびなど)など多彩な症候を伴います。

PCOSの診断基準

日本産科婦人科学会による診断基準(2007)

以下の1~3のすべてを満たす場合を多嚢胞性卵巣症候群とする。

  1. 月経異常
  2. 多嚢胞性卵巣
  3. 血中男性ホルモン高値またはLH基礎値高値かつFSH基礎値正常

PCOSの特徴に肥満と上で述べましたが、日本の診断基準には入っていません。欧米人と比較して、日本人においては肥満を伴うPCOSは多くないようです。

治療法について 

産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023をみていきましょう

挙児希望のない場合(すぐの妊娠希望がない場合)

  1. 肥満があれば減量など生活指導を行う
  2. 定期的な消退出血を起こさせる

1:BMI25以上の肥満がある場合、生活習慣病の予防のため2~6か月間5~10kgの減量を指導する。

2:女性ホルモン分泌がある状態で長期間月経がないと子宮内膜がんのリスクになるといわれています。少なくとも、3か月に1回は消退出血(生理のような出血のこと)をおこすようにしましょう。多毛やにきびなどの美容的な訴えがある場合には、テストステロン(男性ホルモン)低下作用を期待し、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(いわゆるピルのこと)を用いましょう。

2について・・・婦人科ガイドラインには美容的な訴えがある場合には・・・とありますが、特に美容的な悩みがなくとも、ピル内服で卵巣を休ませることができるので、PCOSによる排卵障害が悪化するのを防げる可能性があるといわれています。PCOSの方は生理不順がある場合も多いので、ピル内服はお勧めできます。

挙児を希望している女性に対しては

  1. 肥満があれば減量を勧める
  2. 排卵誘発にはまずクロミフェンクエン酸療法を行う。
  3. 肥満、耐糖能異常、インスリン抵抗性のいずれかを認め、かつクロミフェン単独で卵胞発育を認めなければ、メトホルミン塩酸塩を併用する。
  4. クロミフェンクエン酸塩抵抗性の場合はゴナドトロピン療法または腹腔鏡下卵巣開孔術を行う。
  5. ゴナドトロピン療法を行う際は、低用量で寛恕に刺激する。
  6. 排卵誘発としてアロマターゼ阻害薬を使用する。

肥満がある場合は減量が排卵誘発の成功率を高めます。排卵誘発薬の第一選択はクロミフェンクエン酸塩(クロミッド)です。また、アロマターゼ阻害薬(フェマーラ)も排卵誘発に有効です。

当院では不妊相談を承っております。当院でできる不妊治療としては、基礎体温のつけ方、見方の指導、タイミング指導、内服薬による排卵誘発です。なかなか妊娠しないとお困りで、婦人科受診をしたことがない方、PCOSの可能性はあるかもしれません。ぜひ一度ご相談ください。

当院では人工授精、卵管造影検査、体外受精は行っておりません。様々な因子を考え、生殖専門医への受診が必要と考えたときには生殖医療専門の医療機関への受診をお勧めしております。

(引用元:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023)

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