2024年10月15日
低用量ピルとはなんでしょうか
ピルという言葉は聞いたことがある方は多いと思います。では、ピルとはどんな薬でしょうか。避妊のため、生理日移動、生理痛にも良いらしい、などいろいろな場面で登場するので、いったいピルとはなんだろう、と思われることもあるのではないでしょうか。
ここではピルの中でも低用量ピルについて説明します。
低用量経口避妊薬(OC)・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)
低用量経口避妊薬(OC)(以下OC)・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)(以下LEP)がいわゆる、低用量ピル、のことです。OCはもともとは避妊薬としての薬ですが、効能としてPMSの改善や月経不順の改善も期待できるので、その治療としても処方することがあります。OC は自費で処方するピルです。LEPは主に月経困難症、子宮内膜症などの治療薬として処方する場合に保険適応になります。LEPを処方する場合は診察し、月経困難症、そしてその原因となるような疾患を検索、診断します。OCは自由診療で処方するもので、避妊目的や肌荒れの改善など月経困難症、子宮内膜症の治療以外での目的で内服する場合はこちら、ということになります。
どのピルが良いのか
当院で扱っているOC(自由診療)・・・ファボワール(1相性)、ラベルフィーユ(3相性)
- 1相性は含まれるホルモンが一定で、生理日移動がしやすいです。ホルモン変化が原因でおこると考えられているPMSにも効果があります。また抗男性ホルモン作用があることから、肌荒れ治療にもよく選ばれます。
- 3相性はホルモンの含有量が自然の月経のリズムに似せてあります。内服開始後の3か月程度は不正出血の副作用が出る場合もあるピルの中では、3相性ピルは不正出血の副作用が出にくい印象があります。そのため、避妊目的、生理の周期を正常化するという目的では使いやすいです。
LEP(保険診療)・・・ルナベルLD、ルナベルULD、フリウェルLD、フリウェルULD、ジェミーナ、ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ
先発薬、ジェネリックと合わせて上記の種類があります。一般的、かつおおまかには、月経困難症はあるが、特に子宮内膜症などの器質的異常がない場合は、経済的なピルとしてフリウェルやドロエチは良い選択肢です。子宮内膜症など器質的な病変がある、器質的月経困難症の場合は連続内服(従来型のように1か月に1回休薬期間がなく連続して内服する方法)による治療効果を考え、ヤーズフレックス、ジェミーナなどを選択する場合が多いです。その他、ご本人のお悩み、ご年齢なども考慮し、お一人お一人に合ったピルをご提案いたします。
ピルについて興味がある、こんな症状はピルでよくなりますか。など、なんでも聞いてください。
クリニックでお待ちしております。